◆きりぎりす
なくや霜夜の さむしろに
衣かたしき 独りかも寝む
(後京極内摂政前太政大臣藤原良経)
◆あらざらむ
この世のほかの 思ひでに
今ひとたびの あふこともがな
(和泉式部)
◆憂かりける
人を初瀬の 山おろしよ
はげしかれとは 祈らぬものを
(源俊頼朝臣)
◆あはれとも
いふべき人は 思ほえで
身のいたづらに なりぬべきかな
(謙徳公)
◆今来むと
いひしばかりに 長月の
有明の月を 待ちいでつるかな
(素性法師)
◆来ぬ人を
まつ帆の浦の 夕なぎに
焼くや藻塩の 身もこがれつつ
(権中納言定家)
◆玉の緒よ
絶えなば絶へね ながらへば
しのぶることの 弱りもぞする
(式子内親王)
【大和伸一写真館 第5集「恋歌」より】 |