岸波通信その264「大波乱の会津茶会③」

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Present by 葉羽
「SUMMER IN THE ISLAND」 by Music Material
 

岸波通信その264
「大波乱の会津茶会③」

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◆「人生を振り返って」シリーズ#63「大波乱の会津茶会

 武者小路千家官休会の全国大会の会津若松市開催に当たり、現地のハンドリングを一手に請け負っていた会津唯一の官休会教授A女史。

 前日になってから会場設営業者のダブルブッキングが判明し、急遽、僕ら夫婦が協力して「三人」で乗り切ろうと動き出した矢先、事件は起きた。

「アナタ大変、A先生が交通事故に遭ったって!」

 ええええ~!

衝突事故

(イメージ)

 事故ったA教授は警察へ、そして病院へ。残された僕らは、今夜の「御宿東鳳」での前夜祭レセプションと、いつ来るか分からない「鶴ヶ城茶会」設営業者の指揮を執らねばなくなった。

 ホテルでレセプションの段取りを確認した後、夕刻まで鶴ヶ城の現場で業者を待つが一向に現れる気配が無い。仕方なく電話してみる・・

  野点会場の鶴ヶ城前庭

「あのぅ、まだ来ないんですが、どうなってますか?」

「すいません。こちらでもトラブルがあって手間取っています。必ず行って設営を間に合わせますから、いましばらく待って下さい」

「・・・・・。」

 そもそも、午後から来て夜半に完了するはずだった現場設営。夜から始まって本当に明朝のセレモニーに間に合うのか? うむむむむ・・既に17時近い。

  扁額奉納と献茶式予定の茶室「麟閣」

「ケイ子、僕はレセプション会場の様子を見に行くから、ここを頼む!」

 と、速攻で御宿東鳳へ。会場では既に入室が始まり、来賓を迎える準備が始まっていた。

  御宿東鳳のラウンジ

 このレセプションには、当時の佐藤栄佐久知事と地元会津若松市の菅家一郎市長ほか多数の来賓が招待されていた。全国から参集した官休会社中は4百数十名に及ぶ。

特別来賓の佐藤栄佐久知事

(当時)

 1730分の定刻となり、来賓の祝辞が一通り終わった後は『千家三部作』の著者である井ノ部康之氏による記念講演「いまこそ侘びの心を~千家茶道の神髄」が始まる。

 『千家再興』などを著した井ノ部康之先生

 その講演が始まって間もなくのことだ。会場全体が大きく揺さぶられ、天井のシャンデリアが今にも落ちそうになる。

「キャ~!!!」

「ゥオ~!!!」

 現場は阿鼻叫喚の巷。震源地は新潟県中越地方。震源の深さは13キロ、震度7の直下型大地震・・後に言う「新潟県中越地震」だ。

  新潟県中越地震

 震度7が観測されたのは1995年の阪神・淡路大震災に続いて観測史上2度目。会津地方の揺れは「震度5弱」だった。

 すぐに鶴ヶ城に居るケイ子から着電。

「凄い揺れよ、そっちは大丈夫?」

「混乱してる。あ・・なんとか収まった!」

  右往左往する参加者たち(イメージ)

 会場から逃げかけた人々を席に戻したが、それぞれ携帯電話などで外部と連絡を取り合っている。混乱を収めるまでしばらくかかった。

 それでも何とか式典を再開し、やがて懇親会へ入る。

御宿東鳳の大宴会場

(※リニューアル後)

 実はレセプションにはケイ子のご母堂と娘サオリも参加していたが、ご母堂が地震にショックを受けて体調を崩したため、福島へ戻らせることにした。

 懇親会は見ていなくてもつつがなく進行できると思われたため、サオリと僕の車二台はケイ子が待つ鶴ヶ城へ。

  夜の鶴ヶ城(ライトアップ)

 すると・・

「大変! ユウキが風邪ひいたみたいなので、一緒に連れて帰って」

 そうなのだ・・「テコ」くらいの役にはたつかと思って連れて来た当時高校生のユウキが夜の寒風に吹かれて体調を崩したので、サオリの車でご母堂と一緒に福島へ戻らせることにしたのだ。

 これでイヨイヨ「二人」だけ・・明朝までに鶴ヶ城の現場設営を終わらせなければならない。

 応援を呼んでも皆、和装姿の女性ばかり。そもそも業者が来なければ何も始まらない。僕らは「覚悟」を決めた。

  野点席/鶴ヶ城

 だが既に、時刻は19時を廻り辺りは闇に覆われている。こんな中で会場設営などできるのだろうか? 再び電話してみる・・

「どうなってんですか?まだ、姿が見えないんですが!」

「すいませ~ん・・まだしばらくかかりそうなんです」

 ええええ~!ヾ( ̄0 ̄; )ノ

 このままでは、武者小路千家400年の悲願「麟閣・扁額奉納」や「献茶式」そして「野点席」がドタキャンの大失態となりかねない。

 さあて、孤立無援の僕ら・・ 明日はどっちだ!m9っ`Д´)

(To be Continued⇒)

 

/// end of the “その264「大波乱の会津茶会③」” ///

 

《追伸》

 この後、会場設営を頼んだイベント業者が鶴ヶ城に到着したのは21時を廻ってからでした。

 やって来た人数は僅か4人・・それを見て「絶望」的な気持ちになりました。どう考えても間に合いそうもない。

 なんでもっと人数を動員しなかったのか・・クレームを入れたけれど後の祭り。

 結局、僕らも手伝いながら夜を徹しての作業。(しかも僕ら、何も食べてない。)

 やがて、白々と夜が明け始める。でもまだ出来ていない・・うわぁ、思い出したくない。(次回、このシリーズの最終回。)

 

 では、また次の通信で・・・See you again !

濃茶手前

(茶の湯)

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To be continued⇒“265”coming soon!

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【岸波通信その264「大波乱の会津茶会③」】
2026.8.12配信

 

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