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7月18日(土)14時から初台の新国立劇場(中劇場)でオペラ「森は生きている」を鑑賞。原作はロシア民話を基にしたソ連時代のサムイル・マルシャークの戯曲「十二月(つき)」を湯淺芳子が翻訳した「森は生きている」を林光が台本・作曲。

 1992年に伴奏がピアノ1台のピアノオペラとしてこんにゃく座が初演。その後室内オーケストラ&ピアノによるオーケストラ版が林によって2001年に作曲された。今回はこのオーケストラ版による演奏。

 

 演出は中村敬一、指揮はびわ湖ホール芸術監督の阪哲朗、奏者は日本センチュリー交響楽団のメンバー(ヴァイオリン2:コンサートマスター篠原悠那、ヴィオラ1、チェロ1、コントラバス1、フルート1、オーボエ1、クラリネット1、ファゴット1という編成)により、声楽陣はびわ湖ホール声楽アンサンブル(コンサートマスター:大野光星)。この公演は新国立劇場の地域招聘公演の一環で、今回はびわ湖ホールとのタイアップ第3弾(第1弾は2013年「三文オペラ」、第2弾は2017年「ミカド」)で、この公演はすでにびわ湖ホールでは5月9、10日に行われている。

 あらすじは新国立劇場によると以下の通り。

◆『森は生きている』のあらすじ(新国立劇場による)

 ある大きな国のおおみそか。むすめは、わがままな女王が気まぐれに出した"おふれ"のために、冬に咲くはずのないマツユキ草を探しに雪深い森へ出かけます。そこで出会ったのは12の月の精たち。心優しいそのむすめのために4月の精は、ほかの月の精たちに頼んで1時間だけ「時」をゆずってもらいます。すると雪は消え、目の前にはたくさんのマツユキ草が...!マツユキ草を手に入れたむすめは、12の月の精の秘密を誰にも話さないと約束し、4月の精に指輪をもらい帰ります。そしてマツユキ草を渡された女王は、廷臣たちが引きとめるにもかかわらず、自らもマツユキ草を摘むために、むすめの指輪を持って吹雪の森へと出かけていきます。そこで冬の森の厳しい寒さや大変な経験を経て、女王は大切なことを学ぶのでした。

 子供向けの童話と言ってしまえばそれまでだが、芝居、アニメ、漫画、オペラでこれだけ取り上げられている超名作であり、一度は聞いてみようと出掛けた次第。

 新国立劇場の中ホールは定員1038人だが、ほぼ満席。これなら大ホール(定員1814席)でもよかったのじゃないだろうか。

 子供に見せたいオペラ(マイクのないミュージカルと言った方がいいかも)だが、意外にも子供は100人もいなかった。私のようなオペラ・ファンが多かったようだ。

  いつも通りYouTubeで予習してきたが、コロナ禍の時の岡山でのオーケストラ版の上演でフェイスガードをしていて音が拾えていないし字幕もなくてちょっと分かりずらかったが、今回はなんと字幕付きだった。実に行き届いた上演で子供に見せたいと切に思った。

 もちろん大人の鑑賞にも十分こたえる内容だった。ちょっと笑い狙いの小芝居が多過ぎたかな。一番笑っていたのは私だったみたいだったが(笑)。楽しくて、ちょっとだけ悲しくて、ちょっと考えさせて、音楽が美しく流れていく。オペラの原点というのはこんな感じなのかもしれない。

「いつも字幕見過ぎだし、名作は音楽が劇的過ぎるんじゃないか」なんてことも考えさせた。それにいつも贅沢なオーケストラの音響に慣れっこになっていると、この室内オーケストラとピアノ(寺嶋陸也。素晴らしい!)の音楽が山奥の清流の水みたいに感じられたのも事実だ。

 いやあ、実に良い体験ができた。こういうタイプのオペラの面白さに開眼した。

  第1幕が70分、20分の休憩後の第2幕が80分でトータルほぼ3時間だが、あっという間である。

(20260.8.14「岸波通信」配信 by 三浦彰 &葉羽

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